アカシア食堂レモンの記2

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兆し5-3 正しいよりも楽しい方へ 兆し降臨の巻

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立川談志の紺屋高尾、という古典落語に当たりました。
 
 
これがほろっとくる話でね。
 
何がほろっと来るってやっぱり、話の内容もそうですが、話し方、話芸っていうんですかね、
 
(長い)枕が終わって本筋になって談志さんの話がぐっと乗ってきますとね、合わせて凄みが乗ってくるんですよ。その乗り方というのがね、いやー、何が乗るんでしょうね、本当に何かが乗っているように聞こえます。
 
 
紺屋のセリフなんか特にね、聞いているこちらがつられて泣きそうになるぐらい、ぐっと一瞬で引っ張り込まれて、しまうんですよ。
 
 
1人で何役も話しているわけなんで、談志さんは瞬間で紺屋になり、親方になり、高尾になるわけなんですが、瞬間で、切り替わる、引き込まれる、こんなの役者だってできないんじゃないでしょうか、だから話家なんですよね、いやーすごい。
 
 
面白さの上に凄みが乗って、面白さを凄みが上回るとね、どうも談志ご本人がぱっと方向修正をしましてね、「膝かっくん」みたいに崩して、抜いちゃうんですよ、すごみを。
本人はからかいたくなる性分だって言ってますが、声だけ聴くとその感覚が肌まで伝わってくる。
 
 
とまあこんな風に、散歩中気持ちはすっかり落語に持っていかれて上の空、危ない人になりながら、うわーうわー、と聴いていましたらね?この話の最後の方にね、急に3月15日、っていう日付が出てきたんですよ。セリフの中に。
 
 
思わず、うわっと思いましたね。そうなんです、お察しの通り、これを聞いていたのが3月15日。
 
 
来ましたね。兆し降臨。
 
この随筆のネタが降りて参りました。今回も紡がりましたよ、と思いながら散歩から帰りましたんですがね、実はこれには続きもありましてね。

 

続く