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アカシア食堂 レモンの記

すべては居場所をめぐる旅の話 「私」とは居場所のこと だいたいいるのはあわいのただなか

定点観測空写真集 vol.9芒種 6/5-6/20

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夏至直前の満月。

初夏の赤い満月は、ストロベリームーン、と呼ばれた。満月と夏至が近しいのも珍しいことだと思う。

 

6/5から、その満月の日まで、芒種の時期の定点観測、空写真集、今年に入って9冊目。できました。

 

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この満月の時、たまたま横浜に居た。

打ち合わせを終えて、横浜の海の上に出たのを、大切な友人であり同僚である女性と一緒に、嬉々として見た。

 

月は赤みがかったピンク色で綺麗だった。私たちは歓声すら上げかねない勢いで、見上げるようにして見たのだったけれども、道行く人で立ち止まって見ている人はほとんどいなかった。一緒に写真を撮っていた人はたったの1人。

 

皆、満月などには、興味がないといった風情で、道を急いでいる。

海の上に浮かぶ、ピンクの月なんて、めったにみられないのだけれどもなあ、今、満月ジャストタイム(20:02頃)に満月の下にいるなんて、ありえないほどの奇跡のタイミングなのにな!と思う。

 

夏目漱石なら、絶対に見てくれたと思うんだけど。

(I love youの翻訳に 今夜は月がきれいですね と訳した説は有名だから)

 

もしかしたら、私たちは世の中との感覚からとてもずれているのかしら、とこういう時は少し不安になるのだけれども、金曜日の夜8時とは、家に帰り急ぐ時間であるのかもしれない、と気を取り直す。

 

 ◆

個人的に、グレゴリオ暦より、他の暦より、月を主体にした陰暦を基準に生活している。実験してみて、この暦が一番しっくりときた。月と体の連動はすばらしくぴったりである。

 

からだは、満月はひらく。膨張する。

そして新月はしまる。

ひとそれぞれ、体調にもよるが、私は新月に調子の良い体質だ。

 

満月は、何かぼんやり見たり、休んだり、早く寝たり、ダイエットはやめたり、おきやすいミスは満月のせいにして、そんな自分も他人もほぼ許したり、そういうことに向いている。頭を使う作業などは向いていないと思う。

自分の体は動物だなあと感じる日だ。

 

何かが明けるサインのような満月だった。翌日は夏至

 

仕事も人からの連絡も怒涛のように流れ込んできて、2か月の静かな生活が幕を閉じた。引き込もって内側にただ落ちていくという。

自分との蜜月とみれば、大変に幸せな時期であった。しかし社会的に見ると不安だけが雪だるまのようにふくれていく時期だった。

 

フリーランス、というのは、サラリーマンと全く違ったリズムにある、ということを身をもって知った。

 

仕事の波。人の波。繁忙のリズム。

経営者や自営業の人はきっと、感じているリズムなんだろう。

 

長く通っている鍼灸の先生に、仕事がぴたりと止まって心配過ぎる、と愚痴をこぼしたら、そんなもんですよ、普通の事です、と諭された。

半月くらい、人がこないなんて、よくあることですよ。

昔から青山で鍼灸を営む、予約の取れない、日本でも5本の指に入ると言われる気功と鍼灸の先生である。

私を元気づけるためにそう言ってくれたにしろ、半月、という具体的な時間単位に、妙に癒された。

もしかしたら、昔、先生にもそんな時期もあったのかもしれない。今では手描きの予約表はかなり先まで埋まっているのを私は毎月見ているからね先生。

でも先生のその気持ちとか、言い回しがいつも好きだな、と思うところ。

 

この時期、フリーランスで働く人、経営者なんかに、仕事が止まる不安についての話をたくさん聞いた。

 

かの有名な、でも読んだことのなかった、カーネギーの本(道は開ける、とか)は、カーネギーが講師時代に、受講生に「不安に対処する」方法を聞いたり調査をして、7年ぐらいかけて、集めた話の本だっていうのを、初めて知った。

 

 国は違っても、不安という実体のない最も厄介な感情に、やられたりしてるんだな

 

道は開ける 文庫版

道は開ける 文庫版

 

 

 

人を動かす 文庫版

人を動かす 文庫版

 

 

その不遇の時期みたいな時でさえ、悠然とお茶をすすって、さっさと休みを取るという感じで、そのリズムに身をゆだねるまで、いったいどれぐらいかかることだろうなあ。

 

世の中の、自営で仕事をやっている人へ敬意。