アカシア食堂 レモンの記

すべては居場所をめぐる旅の話 「私」とは居場所のこと だいたいいるのはあわいのただなか

かたわらにいる友になりたい 脱いでいく旅リベンジ【03】 日本一の清流・仁淀川カヌーキャンプ

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明けない夜を待つ気持ちで待ったバスは、ちゃんと時間通りに到着した。ありがたいことだ。時間通りに到着する、という事自体、ほんとうは大変驚くことだ。待っているものがちゃんと来る。

 

バスを使う時にはたいてい、詩人の小池昌代さんの「永遠にこないバス」という詩を思う。http://art-container.net/scrapbook/archives/4790

待ち続けたものが来ることはふしぎだ
来ないものを待つことがわたしの仕事だから

 

 

初めて読んだのは10年以上前だが、当時の私の視点とは真逆だったこの詩人の視点は、鮮やかに、私の体内にストンと入ってきた。作品を作ること(作品がつたってやってくる先の何か)に対する畏敬。受動と能動のバランス。その感覚に、私は大きなインパクト受けた。

 

以来、バスに乗る時には、必ずこの詩の一節が思い浮かぶ。思い浮かぶのはバスに乗る時だけれども、この詩はいつも私の体内にある。持ち歩いている。こうしてこの詩は少しずつ私の血肉になっている。これが詩の影響なのだと思う。

 

 だからバスが来るといつも私は心の中で感動している。ああ、バスが来た。時間通りに来た。これは一つの奇跡だ。

 

でもこの時のバスが来た加減は、本当に感謝しかないみたいな安堵と感激だった。温かい所にようやく入れる……暴風雨の中、薄着で立っていたという事に起因する、自分で作りだしたドラマなのだが、勝手に感動している。

 

大変に腰の低い人の良い運転手さんが運転してくれて、スムーズに発車した。朝のラッシュも計画内の時間帯だったようで、バスは予定時刻に着きますとアナウンスがはいった。

 

ようやく昨夜から続いた緊張がようやく少しゆるみ、うとうととした。アナウンスの通り、バスは時間通りに空港へ着いた。

 

バスの中でも、雨で感じた寒さが抜けず、まだ少し震えるほどだった。これが風邪に結びつく寒気に変わる前に、あとで温かいスープが食べたいと思う。

 

空港へ着いたが、まだまだ気は抜けない。本日のスケジュール、次のミッションは、「9:40までに、機械によるチェックインと荷物預けが終了」だ。寒さをどうにかするのは、チェックインが済んでから!と機械の方へ急ぐ。これが終わらないと安心できない。

 

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私は今回ANAを利用する。航空券(エアチケット)はANAのサイトから旅割り55を使って、羽田ー高知龍馬空港 往復で29800円ぐらいだった。

 

さて、ネットでチケットを予約して、実際に乗るまでに取る手続きというのも、私の中では混乱するポイントだ。

 

ANAなど、航空会社などのサイトで、飛行機のチケットを予約すると拍子抜けするほど簡単に「予約できました」っていうメールが来る。

メールが来ると、ひと作業終わったための安堵から、何かそれだけで手続きはすべて終わり、もう乗り込める気になってしまう。

 

しかし当然だがこの手続きだけで、乗れるわけではない。

ネット予約の場合、飛行機に乗るためには、5ステップの手続きがある。

1、飛行機のチケットをネットで予約する
2、予約の証拠をQコードつきでプリントアウトする
3、当日、空港のチェックインの機械または有人カウンターで、チェックインする。航空券をもらう、荷物を預ける
4、手荷物検査ゲートを通る
5、搭乗時間に搭乗口を通る

 

私はこの、3と4が非常に苦手だし工程を忘れてしまう。多分難しいのもここだと思う。(だからいまだに各社この部分が有人カウンターなんだろう)

 

そしてこの難しさゆえに、私の旅のクライマックス、緊張クライマックスは、だいたいこの空港でのチェックイン、ゲートインで迎えることになる。

(この文章が神経質なのも、ゲートインまでである。ご辛抱ください。飛行機の上空に抜けると、反動で一気にスーパーハイになります。)

 

私はこの旅の記録を、私より旅慣れていない、私より機械慣れていない人がいるのではないか、と心のどこかでひそやかに思いながら書いている。

 

そんな人がいてこれを読むかわからないのだが、それでも、旅行に行く前に、飛行機のチケットの取り方や、空港内の手続きがわかりづらく、煩雑で、むきー!ってなってたり、空港で不安すぎて疲れ切っている一人旅の人がいたら、「そうだよねー、わかるわー」と言ってかたわらにいる友になりたい気持ちで、置手紙として、ここに書いている。

 

ここを超えると旅が待っている。ここは成長痛というか必要悪というか、そういう関門なのだと思う。だからゲートを通り抜けるまでがんばってほしい。(LCCに乗る人はさらにね!)

 

さてチェックインだ。搭乗の当日「今日乗ります」という宣言をして航空券をゲットするために、チェックインをしなくてはならない。※紙チケットを利用する場合

 

私がこれを良く忘れるのは、ひとつに事務作業のすべてが苦手というのもあるが、ひとつに私の友人が特殊だからだということもある。私の数少ない旅行友人は、旅行エキスパートなのだ。普段が添乗員的な仕事や、出張しかしていないといったバリキャリが多いので当然段取りや手配が超人級なんである。

 

友人がいれば永遠に一人立ちしなくてよい。する気持ちも芽生えない。私は友人が同行してくれる時には、よくしつけられた犬のように、友人に従順に従う。その際、脳内はホワイトアウトしていて、手順を全く覚えない。

 

一人でのチェックインを前にして緊張を感じながら思う。そう、これは成長痛だ。一人立ちできるようになるには痛みが伴うのだ。痛みは、生きている証拠だ。痛みと共に行くのだ!

 

そのプロ友人いわく、「チェックインするにはスマホでもできるが、紙でバーコードをプリントアウトしたものが最も良い」と言い切っていた。「旅の初めと終わりに使うから絶対に無くすな」とも言われた。私はその言いつけをちゃんと守る。クリアファイルに入れて、入れる場所を決める。

 

有人対応しているカウンターは、やはり混み合っていた。空港はバス停より俄然、GW感がある。寒さに耐えられない私は、早く済む機械でのチェックインを選んだ。

 

使い慣れない機械の操作は、戸惑うことが多い。ANAのチェックイン機もやはり、1回操作をやりなおした。(成長痛、成長痛)

 

機械の使い勝手は、開発者の感覚と自分の感覚が合わなければ、何を言われているのか次に何をするのか、まったくわからなくなる。簡単なようで難しい、機械操作の難点である。

 

街にあるタッチパネルは、操作を「確定」するボタンが、「送信」だったり「完了」だったり「次へ」だったり、表現がみんなバラバラだ。そしてこのどれも見方によって正解なんである。

 

でも操作する人にとってそれは正解じゃない。操作する人が機械の意図を読み取ってあげなくてはならない。

 

私は7年間、機械メーカーに勤めて開発サポートをしていた。

勤めてみて初めてわかったのだが、ユーザーインターフェイス(例えばタッチパネルの画面配置とか、言葉とか、操作回数)って、開発者とデザイナーなどの本当に数人の内輪の感覚で決めてしまうのだった。

あとはその会社における踏襲を崩さない(機械の中身を変えないといけないからめんどうなんだそうだ)。開発者はその使いにくさにあまり疑いを持っていない。

 

使い慣れない限り、機械は使いやすくならないのかもしれない。機械の宿命なんだろうか。それとも使いこなすという独特の楽しみを見出すためのものが機械なのかもしれない。

 

歳を取るごとに、機械とか、分かりにくい物とは親和性がなくなっていくような気がしている。柔らかくなくなるからかな。

 

それとも、スムーズに理解できるスマートな私像の方を手放さなくてはならないのかもしれない。

 

航空券が出たら、次は荷物だ。航空券用の機会の隣を見ると、見たことがない、カプセルホテルみたいない大きな機械が並んでいた。荷物を預けるのが機械化したようだ。

ついでなので、積み込みの荷物を機械で自分で預ける、ということにもチャレンジした。

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なんでも機械化である。本当に、人がやる仕事はどんどんと無くなっていくなあ。

 

荷物が乗る大きな機械の中に、荷物を載せ、航空券のバーコードをかざし、OKになったら出て来たシールを巻き付けて、またOKボタンを押すと、荷物が自動で吸い込まれていく。

 

こちらは新しい機械のせいなのか、係員が常時説明してくれる。

結局、自力では荷物が吸い込まれず、あれ?と思うや否や、係員がすーっと登場、すべての手続きを「私が行なってもよいでしょうか?テープを貼りなおしてもよいでしょうか?」と言ってもらい、結局すべてやってもらう結果となった。

やってもらうのはすごく嬉しいので、この頼もしい係員を、私はニコニコして見ていた。ああ楽ちんだ。

 

空港の人は、サービス訓練が徹底されているので、とにかく皆すごくいい人である。日本人の中でも尋常じゃないぐらい素晴らしいと思う。これは多分日本独特と思う。(アメリカでのあの対応と比較している)

空港って日本でも選りすぐりのサービスマンと接客体制が整っているという感じ。本当にすごいことだ。航空業界とは独特なところだと思う。

 

すべて何度かやり直したが、無事に9:40までにチェックインと荷物預けが終わった。スケジュールと実行動が一致した。はあああ。深い安どのため息が出たら、急激にお腹が空いてきた。寒い。スープ。そう、スープを食べるのだ!ゲートインまで、時間は1時間ある。

 

温かなスープを想像し、お腹がどんどんと空いてきた。今の私を満たすことができるのはこの世の中にスープだけだ。スープを食べて満たされる体。温かな液体。包まれる安堵感、満足感、幸福感。ああ、それは無上の喜び!

 

イムリミットは1時間。さあこの広い空港内からスープのお店を見つけ出すのだ!

 

【4/28 東京→高知 桂浜 1日でまわるスケジュール】

07:40 家出る
08:00 二子玉川駅着 
08:15 羽田(第二ターミナル経由)行 リムジンバス発 →(実際には時間違った)
09:20 羽田(第二ターミナル着
09:40 空港でチェックインと荷物預け完了←今回はここのお話でした
10:40 手荷物検査のところを通る
11:05 ANA563便乗り込み
12:30 高知龍馬空港
      とさでん交通 高知駅前観光バス 乗車(発車時刻は飛行機到着と連結している)
      はりまや橋バス停まで、約30分
      高知市内、ガイドブックに載っていた一人で食べられる60年の老舗カフェ「ふぁうすと」でパンケーキ食べる
      高知駅前の高知ホテルにチェックインして荷物預かってもらう
14:48 (高知駅発最終)1日周遊のバスで桂浜へ
17:00 桂浜発
18:00頃 高知駅到着