アカシア食堂 レモンの記

すべては居場所をめぐる旅の話 「私」とは居場所のこと だいたいいるのはあわいのただなか

4-2 導かれた先で繋がる

窪之内英策さんは漫画家だ。

ツルモク独身寮っていう漫画は
20年以上も前の高校生の頃、友達の間で回し読みして貸してもらった。
面白くて面白くて一気に読んだ。
当時すごく流行った。

窪之内さんという人は、
あれからずっーと、第一線にいるままで
圧倒的な量を描き続けてきた。

それが、
この雑誌に並んだ
絵の光り方をみただけで、わかる。

どの絵からも、
楽しさとか好きさが伝わってくる。

そこだけを丁寧にすくいとって
大切に描き続けてきたのだ。

この絵は、
使命を見出した人の光を帯びている。

そのことに、いたく感動した。

早速ネットで探してみたらご本人がTwitterを利用されていたのでフォローした。

ファンに返す発言やUPされるラクガキの
作品への姿勢や圧倒的なピュアさに、一気に大好きになった。

そうして読み始めて1か月ほどだったある日
ツイッター情報から、このIllustrationに載っていた絵の原画展を
渋谷のマルイで、無料で開催する、という情報が流れて来た。

 

うわー!生で見られる!

小躍りした。

絵も、人も、生で会うのが、一番好きだ。

別段、何かを一緒にしたい、というのでもなく、
ただ同じ空間にいる、というだけでいい。

直接会ったときの情報量は、本を読むことの何倍にもなる。
直筆の絵や文字には、すごい情報量が転写されている。
いろんなことを、全身を超えて、いつだって感じ取っている。

ただ、開催期間がどうしても仕事が溜まって行けなさそうだ、
と悶々と思っていたら

行ける!

来た!

noteの神様は微笑んだね!

いやむしろ呼ばれている!

こうしてギリギリ最終日の2/18、その最後の時間、滑り込むようにして間に合った。

渋谷マルイの最上階、その1角のこじんまりとした展示スペース。

そして突然に現れるたくさんの人。

そして、たくさんの、原画!

 

壁一面の、ラフスケッチ。ラクガキ。

書かれているのは、コピー用紙だ。
なんということのない、
自分でもいつも使っているコピー用紙やスケッチブックの中に、
見たことのないプロの美しい絵がある、というギャップ。
だからこそより、この絵のすごさがわかる。

 

とてつもなく、軽い筆圧。写真に写らないぐらい軽い。

 

骨とか肉の位置に違和感がないデッサンなのに、

さらさらと、書かれている。

今にも動きそうな女の子たちがいる。

圧倒的な量。

なのに、この原画、途中でほぼ入れ替えられてる。
描き続けている、と思った通りだ。

一枚ずつ、はじから見た。

ひとつずつ、描かれた女の子を見ていくうちに、
自分の体が、この絵から発せられるエネルギーに同調していく。

かわいい、
そうそう、こういうポーズね、この表情ね、
人間て、可愛くて、楽しくて、あいらしいよね。
作品に込められたもの、伝染してくる。

集まっていた人たち、食い入るように、みんなみている。
ガンガン撮影していく。(撮影OK)

みんな、エネルギー感じてる。

と、感動していたら、窪乃内先生、ご本人がやってきた。

うわーーーー会えた!嬉しい!!

えらくダンディでかっこいい(自分で描くキャラと大違い)
えらくお客さん思いの、
お客さんの前ではもうお酒を飲んで照れをごまかさずにはいられない、
そういうなりの人が入ってきた。

窪乃内先生自身も、光っていた。

ああ、すごいなあと思った。
存在がすでに、結晶みたいだ。

先生が到着してすぐに、即興でその場で描いた絵をプレゼントしていく、というイベントが始まった。

その場にいた閲覧者全員参加のじゃんけん大会が始まったので
周囲に合わせて手を揚げてひょいと参加したら
なんと、じゃんけんに勝ち残り、

原画が当たってしまった。

当たってしまった。

3回言いますけど、当たってしまったのです。

 

何かに当たった、という出来事は、人生でも、数えるほどしかない。

そしてこういうことに、
めったに当たらないからこそ、わかったことがあった。

何か事が起こる時って、静かだということ。

良い気持ちのまま、
みんなにつられて、すっと手をあげて、
先生の手をじっと見ていたら残ってた、という感じだった。

こういうのを、いろんな人がいろんな表現方法で言う。

当たることを知っている感じでした、とか。
確信がありました、とか。

それ、どれでも、なかったな。
ただ、ニコニコして、その場に一緒にいた感じ。

それが、印象的だった。

4-3へ続く

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