色に救われる
「やばい、もうすぐバーゲンが終わる」1月の終わり、滑り込みで複合施設に入る。洋服が並ぶショップをいくつか見るが、結局あと一歩の気のなさで何も買えない。洋服を買うにはある一定のテンションが必要かもしれない。そういえばしばらくの冬ごもり、下調べもなく、街もしばらく歩いていなかった。テンションは冬そのものだったから、小さく芽生えたばかりの洋服へ欲求はまだひそやかだ。
所在ないまま、それでも何か綺麗な色と形のセーターが一枚欲しい、というのがだんだんと分かってきたあたりで、惰性で乗っていたぐるぐると上へ誘導されるエスカレーターで登った階には、もう洋服はなく、そこは家具のフロアであった。
と、そこに飛び込んできたのが、あふれんばかりの色。あふれんばかりの花。春の色で飾られたフランフランのお店だった。
それまで抜けて来た洋服のフロアは、白と黒と茶と緑、紺。冬の色だった。ところが今目の前は、圧倒的な色に溢れている。
しばらく見なかった鮮やかでPOPな色たちは、圧倒的なスピードで体に入ってきた。やばい。このフロア、全部欲しい。瞬時に物欲が上昇した。
片づけ魔法の勢いがすごいコンマリちゃんの、原典だろうと踏んでいるカレン・キングストンの「ガラクタ捨てれば未来がひらける」小学館文庫の中に、こんな一節がある。
― 私たちは自分のそのときのエネルギーの波動に会った色、生地、デザインの服を選びます。そして人には、様々な色の時期があるのです。(中略)すっかりこの色を自分の中に取り込んだ今では、ほとんどこれらの服を身に付けることはありません。―
- 作者: 近藤麻理恵
- 出版社/メーカー: サンマーク出版
- 発売日: 2010/12/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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色は、体を助ける。食べるように色を体に(その元になるエネルギーに)取り込む。フランフランのお店の中に入ったら、乾いたときに飲む水のスピードで、色という色が、細胞に沁みわたっていくのがわかった。自分の中にこんな欲求があったとは、ここへ来るまで、まったく気が付かなかった。
冬にいくつか買った洋服はすべて黒だった。
古い話だけれど、美輪さんが黒い下着はおやめなさいとうようなことを言った後、なんだか黒は悪いみたいな風潮を周りに感じたことがあった。
でも黒は悪いわけではない。集中する時、人は黒を身に付ける。クリエイターや職人に黒を着る人が多い。自我を抑えて黒子になり、表現する中身に色を与えていく。そういう作業をするとき自然と黒を選ぶと聞いたことがある。
加えて性格が頑固な時、自分を守りたい時も、黒を身に付けるそうだ。これ以上黒について語ると色分析と心理学の本を引っ張り出すことになるのでこの辺で止めるとして、要は、私はこの冬、黒モードでひたすら仕事をして請負の書き仕事をしていた。確かにそういう時期だった。黒の力を借りていた。
でもこのフランフランの前に着て、「色!色がいい」と一気に色モードになった。
すると色の情報が一気に押し寄せてくる。色、一色ではなく、全部の色が一気押し寄せてくるような色が、今欲しい。
欲しいものがわかったので、何も買わずに帰る。でも気持ちは十分何かを買ったときのよう。欲しい色の服に出会うまで、待とう。
やってきた色の情報を張り付けておこうと思う。(大好きなものを集めていたら元気が出てきた。実はnoteを書くのは自分への効果大だと思った)なんどもこの画面を見て、そして色へ足を運ぼう。色は匂へど散りぬるを我が世誰そ常ならむ、と口ずさみつつ、人は(幾重にも重なった意味の)色へと向かうサガ。立春が明けて春が芽吹いている。
増田セバスチャンさん http://sebastianz.jugem.jp/?eid=761
アレックス・グレイ
窪之内英策さん 今渋谷マルイで個展やってる。ツイッターが愛と職人魂に溢れて大好き。
「窪之内英策」原画展『LOVELY(ラブリィ)』情報ページ – ツクル(ノ)モリ
どうしてもすきな蜷川実花さん。昔の無料壁紙。
宇宙ガラス 綺麗だなあ、欲しいなあと思っていつも眺めている
FJD(藤田二郎)さん 現在伊勢丹で展覧会中
友人が全身色まみれになる遊びをやっていた。カラフルランって名前あったのか。インド発祥だったのか。
メキシコ中部の世界遺産の街「グアナファト」
唯一行ったことのあるアジア。台湾。行ってよかった。
海外のインテリアサイトは癒し
MAISHA 好きだったインテリア雑誌MAISHAが休刊。編集点好きだった。カラーページなのに500円て安すぎたからじゃないのか。。。自分ちのストックを見てしのいでいる。
花時間 ほか花の雑誌 本屋で立ち読みするだけで元気出る。花屋の前でも十分だ。下のバラは去年いただいた死ぬほど嬉しかったバラ。肉感的で生きてるみたいだ。花の写真はまた別にまとめよう。
カーペット、キリム、ギャッベ 中東方面の織物に心底惹かれる。一生に一枚欲しいと思うと元気が出る。これはオマーン国大使館の床カーペットの貴重な一枚。
宇宙 NASAの写真サイトはこういうのがたくさんある。微弱電磁波をキャッチして合成して作るんだといってたなあ。写真の使用は太っ腹な意見JAXA。
空
毎日の空の美しさに救われている。冬の夕焼けの美しいこと。こういう日、歩
きに出る。
noteより、全文掲載。なお、Amazonを含む広告的リンクなどはnote内では使用していない。