アカシア食堂レモンの記2

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脱いでいく旅:釧路湿原でキャンプとカヌー03

 

この旅は
旅が繋いだ縁からはじまった。
 
旅慣れてなくて、
旅が未知のものだった時、
旅は怖かった。
 
けれども、
 
その怖さを道しるべのようにして、
一緒に手をつないでと踏み出すと、
 
その怖さは、未来と私を繋いで
楽しさや一体感や感動の待つ方へと
ちゃんと連れて行ってくれる。
 
怖さとワクワクは
コインの表裏みたいに
実は同じものだと聞いた事があるけれど
 
旅に行きたい、でも怖いって時
その怖さやドキドキは
そっちだ!
というサインである
のかもしれない。
 
未知とは道であり
未知とは常に(全方向の可能性に)満ちている。
 
この旅の始まり、
それは2014年に行った
はじめての屋久島の旅だった。
 
7年ぶりの旅行だった。
 
7日ほど、屋久島に滞在した。
 
一人で行き、行程の途中から
現地集合のツアーに参加した。
 
旅で出会った人は皆、
一人ひとり
お互いの中心が共振して
コミュニケーションを取り合った確信があり、
 
本当に出会った感覚があった。
 
触れたのだと思う。
 
今でも連絡を取り合い
東京や大阪で会う仲だ。
 
このメンバーの中に
 
人生が旅でできているのではないか
というぐらい
旅するために生きているような
旅の達人ゆかちゃんがいて
 
彼女は個人として
行きたいところに人を集めて
自分でツアーを組んでしまうぐらいの旅の達人なのだけれど
 
そのゆかちゃんが
今回どうしても彼をツアーガイドとして一緒に回りたいといった、
Gさんと釧路湿原でカヌーに乗るツアーを企画した。
 
誘いを受けた時、
嵐のような忙しさとプレッシャーからなる退職準備真っ最中で、
 
ああこの日程ならもう退職してるんだな
と本当に憧れるような心持ちになり
 
カヌーには乗ってみたいと
強く思っていたこともあって
 
すぐに申し込みをしたのだった。
 
北海道は初めてだった。
 
私は北国生まれで、
寒いのがことのほか嫌いだったのと
北国の静けさの中にある閉塞感がどうしても身に沁みているものだから
つい、どの北国を想像しても同じだと思う節があり
 
旅に向かうなら南の方を選んでいた。
旅行に行くなら、行った事がない、体のゆるむ、憧れの南の島がいいと思っていた。
 
だからこの旅行の3週間前にはハワイに行っていた。
 
でも、北海道に行ってみたら
そんな思い込みに謝りたくなった。
 
皆が口をそろえて北海道の良さを言うのがよくわかった。
 
南の島とはまた違う、
独特のおおらかさと
空気の優しさと清らかさが、釧路にはあった。
 
そして釧路の食べ物は
どれも本当に美味しかった。
 
さらに幸いにして、
自然の厳しさではなく素晴らしさを満喫できる天候に恵まれて、
珍しいぐらい穏やかな釧路川の上に3日間いた。
釧路川でキャンプを張り、カヌーを漕いだ。

 

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