アカシア食堂レモンの記2

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高知、不思議と体がほどけていく解放感 脱いでいく旅リベンジ【08】 日本一の清流・仁淀川カヌーキャンプ

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高知に到着してすぐ、感じたのは、その空気の質の違いだった。

湿り気がある。あたたかい。その中にある、おおらかさ、ゆるさ、気楽さ、開かれた感じ。

街の中に、水が多い。

川が、街の中に豊かに流れていて、水田がたくさんある。

すぐそこは海。

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高知は、空が近い街 脱いでいく旅リベンジ【07】 日本一の清流・仁淀川カヌーキャンプ

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高知市へ向かうバスの中からの写真

 

飛行機が、無事に高知へ着陸した時、窓から見えた地面には、確かに雨が降っていた。
水たまりに、雨粒の模様ができていた。小降りのようだった。

傘は、羽田空港で捨ててきていた。
天気予報は雨のち晴だったけれども、私は自分の晴れ女度にかけた。

こういう無駄な自慢って、誰でもひとつは持ってるもんだと思うんだけど、晴れ女は、私の希少な自慢ポイントだ。

数少ない旅行は本当に晴れる。あの、あめふる島・屋久島に7日いて、雨が降ったのは4時間程度だった。

ああ、今回は珍しく雨のスタートかなと思ったけれど、それでも空に差している光の量の多さに、そのうち晴れるだろうとたかをくくった。

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空の中にいる嬉しさが体の中に躍る 脱いでいく旅リベンジ【06】 日本一の清流・仁淀川カヌーキャンプ

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空が好きだ。

空を見たい、というのは人の持つ根源的な欲求だと思っている。
空には形がない。行き止まりがない。果てがない。
目に見えるもので果てがないものは、空しかない。
果てがないから、焦点を合わせる場所がない。
どこを見てもいい。何も見えていない。
ない、という無限の中にあってはじめて、体は安心する、のではないか。

空をぼんやり見ていると、気が付くと思考が止まっている。
深い瞑想や、睡眠と同じ状態になる。

自分の小さな頭の中で回り続ける思考から逃げ出すことができたときにのみ、私は深い静寂と安堵に包まれる。この時、空と一体化している。

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旅に出て感じるのは、自分の日常の輪郭  脱いでいく旅リベンジ【05】 日本一の清流・仁淀川カヌーキャンプ

いつも小さく未来を予測してはその小さな枠を壊されていく、その枠を壊される旅の醍醐味


東京にやってきた当初、東京の駅の広さに驚いた。

一つの駅名なのに、駅構内が広い。乗り換えにやたら歩く。東京駅、大手町、飯田橋、永田町。同じ駅名でくくるのには難があるような乗り換えの距離の遠さ。
渋谷や新宿に至っては、ダンジョンという迷宮レベルになる。

 

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羽田空港の中でも同じ気持ちになる。羽田空港、と名前が付いているがその範囲は恐ろしく広い。

 

ひとつの行動と次の行動、それを繋ぐ場所までが、いちいち遠い。荷物を預けるにしても、食事をするにしても。次の行動に移行するまでに距離がある。

 

広さと距離に戸惑う、ということは、私日常が逆に狭い、ということだ。

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定点観測空写真集 vol.7立夏

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近頃、体が悲しみに満たされているような感覚がずっと続いている。なかなか通り抜けてくれない。

 

5月の頭、二人の偉大なタオイストに会った。

そして5月中、本当に色々な物が、御破算になった。陰転。

 

受け取ったものが大きいと、消化や理解にかかる時間もまた長い。その渦中にいてそれを説明したり分析したりすることはできない。ただ感じることだけだ。

 

考えるのをやめて感じた時にだけ、それに触れることができる。感じるのは動いたときにだけできる特権のようなものだ。

 

タオイストに会ったことで、私の中にある、視点が動いた。いつも、物を見る時に居た定点のようなポジションが動いた。これは石が動いた感じだ。庭に長く置いていた、大きくて重い石が動いたような。

 

 例えば庭に長く置いていた石を動かすと、その下にいた虫たちが現れる。陽の光にビックリとしてわらわらと動いている。それが、体の中で起こっているような、感情のさざなみ。

 

体が、どんどん動かなくなった。

体も気持ちも深く沈み、面白いように人からの連絡が途絶え、関係性も変わり、仕事がいくつも重なって延期になった。

 

ビジネスライクではない、自分の本当のところを、常に試されている、ような気がする。

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